英語を聞き流すだけの本当の意味(1)
聞き流すことに意味はある。しかしそれだけではダメ!
英語の教材の中には、よく「聞き流すだけ」という広告を見かけることがあると思います。
しかし、残念なことに単に音声を聞き流すだけでは、英語は身につきません。では、聞き流すだけの教材は効果が無いのかと言えば、それも違います。
英語を聞き流す効果とは何か?を知っておきましょう。
聞き流し系の英語教材には3つの効果がある
「英語は聞き流すだけで身につけることができるか?」と言われれば、答えはNOです。
逆に「英語の聞き流しは意味がないか?」と言われれば、この答えもまた、NOです。
では、CDやMP3などで英語を聞き流すとどんな効果があるのでしょうか?
英語を単純に聞き流した場合には、大きく分けて以下の3つの効果があります。
- 英語の初心者が英語特有の音を聞き取れるようにする。
- 繰り返し聞くことで言葉の意味を脳に定着させる。
- 中・上級者が現在の英語力を維持する。
まず、1の「英語特有の音を聞き取れるようにする」について解説します。
英語特有の音とは?
英語特有の音とは「日本語として無意識的に聞き分ける必要のない音」と「そもそも日本語にはない周波数の音」などがあります。
最も分かりやすい例で言うと「L(エル)」と「R(アール)」の違いでしょう。日本語の50音では、どちらも「ラ行」ですが、英語では全く異なります。
L と R の発音が正しく聞いたり言えなかったりすると「Rice(ライス=米)」と「Lice(ライス=虱虫)」の違いが分からなかったりします。
また、英語と日本語の音の違いとしては、母音の有無があります。
日本語の場合、50音表を見ればハッキリと分かりますが、全ての音に母音が付きます。しかし、英語は母音のない音を出すことがあります。
分かりやすい例で言えば、「it」でしょう。T の発音に母音は付きません。英語の発音に慣れていない人は「イット(itto)」か「イッツ(ittu)」と読んでしまいます。強引にカタカナで書くならば「イットゥ」かもしれませんが、日本語で表すことはできません。
英語や外来語に慣れていない人やお年寄りの方などは、
- NTT(エヌティーティー) → エヌテーテー
- ディズニーランド → デズニーランド
のように読んでしまう人も見受けられます。
これは「T」の音が元来、日本語には無い音なので、日本語にしか触れてこなかった人にとっては当たり前のことなのです。
他にも日本語には無い英語特有の「音」があり(特に周波数が高音の領域)、
「英語の聞き流し」によって、こうした音に慣れ、聞き取れるようにすることができるのです。